Excite エキサイト 社会ニュース: <訃報>茨木のり子さん79歳=詩人
偉大な女性詩人が逝った。昨年亡くなった石垣りんの後を追うかのように。
文学史的な位置づけでは、茨木のり子は「女性のひたすらな生命力と未来への希望を歌った詩人」(出所略)であるという。
ボクの本棚には、彼女の書いた『詩のこころを読む』という本がある(岩波ジュニア新書,1979年)。買いっぱなしでこれまで読んでいなかったが、新聞で訃報を知ってはじめてページをめくった。ごめんなさい。
内容は、若い人向けに選んだ戦後期の詩の数々に、一つ一つ丁寧に解説したもの。彼女自身の詩は入っていない。
5つの章から成っていて、最終章の題は「別れ」となっている。
本の最後の最後に、死後の世界について語った文章が、印象的だった。
これを書いてから、25年以上が経ち、どのような思いであの世に旅立たれたのかは知る由もないが (というか詮索するのが失礼)、
少なくとも茨木さんが日本語に加えた富は、これからも生きつづけるだろう。
最後に、中学生くらいの頃読んで、軽い衝撃というかジョブパンチを食らったような感覚に襲われた、「自分の感受性くらい」という有名な詩を記して、今日は筆を置きたい。
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偉大な女性詩人が逝った。昨年亡くなった石垣りんの後を追うかのように。
文学史的な位置づけでは、茨木のり子は「女性のひたすらな生命力と未来への希望を歌った詩人」(出所略)であるという。
ボクの本棚には、彼女の書いた『詩のこころを読む』という本がある(岩波ジュニア新書,1979年)。買いっぱなしでこれまで読んでいなかったが、新聞で訃報を知ってはじめてページをめくった。ごめんなさい。
内容は、若い人向けに選んだ戦後期の詩の数々に、一つ一つ丁寧に解説したもの。彼女自身の詩は入っていない。
5つの章から成っていて、最終章の題は「別れ」となっている。
本の最後の最後に、死後の世界について語った文章が、印象的だった。
これから先、いろんなことが科学的に解明されていくでしょうが、死後の世界のことはついにわからずじまいで最後まで残るでしょう。・・・(中略)・・・一つだけ分からないことがあるというのは、素敵なこと。いかにも詩人らしいとらえ方だと思う。
でも、どうやっても、たった一つだけ、わからないことがあるというのは、考えてみれば、素敵に素敵なことではないでしょうか。そんなことを感じさせ、考えさせてくれる詩です。(『詩のこころを読む』,220頁)
これを書いてから、25年以上が経ち、どのような思いであの世に旅立たれたのかは知る由もないが (というか詮索するのが失礼)、
少なくとも茨木さんが日本語に加えた富は、これからも生きつづけるだろう。
最後に、中学生くらいの頃読んで、軽い衝撃というかジョブパンチを食らったような感覚に襲われた、「自分の感受性くらい」という有名な詩を記して、今日は筆を置きたい。
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by gonta_i
| 2006-02-21 12:07
| 読書感想